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Omagari

アーケードゲームタイポグラフィ:ビットマップ書体の世界
アーケードゲームタイポグラフィ:ビットマップ書体の世界
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アーケードゲームタイポグラフィ:ビットマップ書体の世界
アーケードゲームタイポグラフィ:ビットマップ書体の世界

プロジェクト名:アーケードゲームタイポグラフィ:ビットマップ書体の世界(原題:Arcade Game Typography)
リリース年:2019
著者:大曲都市(日本語訳:井原恵子)
コンセプト、アートディレクション:Darren Wall
デザイナー:Leo Field
出版社:グラフィック社(英語版:Thames & Hudson / Read-Only Memory)

本書は1970年代から2000年代の様々なアーケードゲームから8×8ピクセルの書体およそ250個を厳選した書籍です。書体デザインとゲームの交差点に立つ本で、このような組み合わせは書籍としては初めてとなります。執筆当初、話題の範囲がマニアックなのでついていける読者は少ないのではないかと思いましたが、他の方々に披露していくうちに両方を知っている必要がなくても楽しんでいただけることに気がつきました。むしろ、どちらも知らなくても大丈夫のようです。

本書を書くことになったきっかけはアイデア誌の2012年5月の第352号、ビデオゲームグラフィック特集です。この号によって、すでに書体デザイナーとして仕事をしていた私の中に眠っていたレトロゲーム熱に火がつき(もともとゲーマーではありました)、そのドット芸、特に8×8ピクセル文字に目を向けるようになりました。2016年にロンドンのイベントでピクセル書体についてプレゼンしたとき、聴衆の中にいたRead-Only MemoryのDarren Wall(ダレン・ウォール)にお声がかかり、出版することとなりました。この当時、英語圏では雑誌を含めてもゲームのピクセル書体についての出版物はなかったのです。

それからは数年ほどかけて仕事の合間を縫ってアーケードゲームとその書体を片っ端から調べました(この間は独身で彼女もいませんでしたが、この類の本の執筆には相当な時間と集中力が必要ですし物書きは慣れないので、ある意味助かりました)。集めた書体はGlyphsとDrawbotを使ってカラーSVGフォントに変換し、ちょうどカラー対応してくれたInDesign CC 2019年版で組版されました。それがなければ本書はできなかったか、さらに何倍も苦労したことでしょう。Adobeさんに陳情した甲斐があったというものです。

Thames & Hudsonからソフトカバー版が発売され、ダレンの運営するRead-Only Memoryから数量限定のハードカバー版が発売、日本語版は井原恵子さんの翻訳でグラフィック社から発売されました。日本人が著者なのに著者以外の方が日本語訳を担当という、ちょっと珍しい本になりました。

また本書の発売後にVoxのEstelle Caswellにインタビューを受けて、素敵な動画を作っていただきました