Toshi
Omagari

Wolpe Fanfare
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Wolpe Fanfare

ファミリー名:Wolpe Fanfare
種類:市販書体
ファンダリー:Monotype
リリース年:2017
購入リンク:MyFonts

Wolpe Fanfareは2017年にリリースされたベルトルド・ヴォルペ・コレクションという復刻書体群の一つです。元々はヴォルペによってデザインされ、Monotypeから1937年に金属活字書体としてリリースされたオールキャップのサンセリフ体です。MonotypeでAlbertusなどの書体をデザインしたのち、ヴォルペはFanfare Press(ファンフェア・プレス)で働き始め、この時期に二つの見出し用書体を作りました。Fanfareはそのうちの二つ目です。

ヴォルペはその後、41年からFaber & Faberという出版社で本の表紙のデザイナーとして働き始めます。彼の典型的なデザインスタイルは長体で生き生きとした文字を大きく使い、イラストの使用は限定的または皆無でした。特にローレンス・ダレルの『ジャスティーン』やシルヴィア・プラースの詩集にはFanfareそっくりなスタイルが見られます。傾いたステムとベースラインからエネルギー溢れるデザインとなっていて、昔のBOACのポスターにその性格が活かされています(BOACは英国海外航空会社、ブリティッシュエアウェイズの前身)。また水平方向にコンパクトなデザインは縦向きの本の表紙には最適です。

この復刻版では、もともと1つしかなかったウエイトに更に4つ追加し、また背の少し低いスモールキャプを小文字として追加しています。キリル文字とギリシャ文字では見出し用らしく若干イレギュラーな字形にしています(特にOpenTypeの異体字)。

Wolpe Collectionのリリース後、Faber & Faberはシリーズの書体をすべて使ってくれていますが、なかでもFanfareは『ジャスティーン』の新装版に採用されました。まさにこの書体にふさわしい使われ方で、見つけた時は感激しました。