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Neue Haas Unica
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Neue Haas Unica

ファミリー名:Neue Haas Unica
種類:市販書体
ファンダリー:Linotype (Monotype)
リリース年:2015
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Neue Haas Unicaは1980年にリリースされたネオグロテスク書体、Haas Unicaの復刻書体です。

Universを保有していたDeberny & Peignot(ドゥベルニ・エ・ぺニョー)鋳造所を買収していたHaas(ハース)鋳造所は、電子写植のための新しいHelveticaの開発を決めます。このプロジェクトはAndré Gürtler(アンドレ・ギュートラー)、Erich Gschwind(エリック、グシュウィンド)、Christian Mengelt(クリスチャン・メンゲルト)の3人に託され、チーム’77が発足しました。UniversとHelveticaに代表されるネオグロテスク体の徹底的な分析を重ねたのち、当チームはUnicaと題した新書体をデザインしました。そのデザイン意図は名前から明白でUniversとHelveticaのハイブリッドのようなデザインです。このときチームが分析結果とデザインプロセスをまとめたFrom Helvetica to Haas Unica https://www.flickr.com/photos/stewf/galleries/72157644553307792/という書体見本のような書類がありますが、とても面白いので是非とも読んでみてください

Unicaは1980年にリリースされましたが、当時は大成功というほどではなかったようです。特に多かった批判は元となった2書体に似過ぎているというものです。ただ大量に作品がひしめき合う現在のネオグロテスク体のジャンルにあっては、この批判は古臭くなった感はあります。当時の有名なUnicaの使用例はOctavoという1985年から92年まで発行されたグラフィックデザイン誌です。デジタル版はScangraphicから出されていましたが、Haasを買収しておりUnicaを所有していたLinotypeから販売取り下げを命じられ、2008年以降販売されていませんでした。一方のLinotypeはUniversとHelveticaのどちらも所有しており、双方に似ている書体にはあまり商品価値を見出していなかったようです。

フランクフルト近郊のLinotypeのアーカイブを訪れたある日、Haas Unicaの原図とネガを初めて目にしました。あまり成功しなかったUnicaとはいえ現代向けに作り直せば必ず再評価されると思い、さっそく復刻版を提案しました。このとき’77のメンバーとのコラボレーションも提案しましたが、これは都合により残念ながら叶いませんでした。このUnicaには現代のHelvetica 2.0にふさわしい水準を目指して、奮って制作しました。変更点は特に大きなものはありませんが、ありとあらゆる部分に手を加えました。目立った追加点としては、ギリシャ文字とキリル文字、そしてスモールキャップの追加です。ギリシャ文字は2015年のグランシャン書体コンペでギリシャ書体部門の1位を獲得しました。

このページは私のNeue版のエントリーではありますが、同時期にHaas Unicaの復刻としてデザインされたUnica ’77も紹介させていただきます。これはチーム’77のメンバーの1人のメンゲルト氏によってデザインされ、Linetoによってリリースされました。ここではコメントや比較はしませんが、文字セットも多く等幅版などもある大所帯なファミリーすので、是非とも見てみてください。